甘い夜のはてに

甘い夜のはてに

ラーラは通学しながらアシュトン家のメイドとして働いている。
ある日スペンサーの葬儀後の集まりがアシュトン邸で行われ、忙しく立ち働いていると、魅力的な男性に声をかけられた。
彼に惹かれたラーラは、屋敷を抜け出して甘いひとときを楽しんだ。
めくるめく交歓の余韻を胸に目覚めたとき、彼が何者かを知って唖然とする。
イーライ・アシュトン――傲慢で冷酷なアシュトン家の一員。
しがないメイドが恋をしていい相手ではない。
ラーラは身支度もそこそこに逃げ出した。
西暦1558年、エリザベス女王が誕生し、時代の波は新たなうねりを生み出した。
宮廷には女王に召し抱えられた廷臣たちが勢揃いして、すがすがしい空気に満ちている。
侍女ペネロープもまた晴れがましい気持ちで謁見に臨んだ一人だった。
たいした家柄ではない自分がこの場にいられるのも、姉が伯爵家に嫁ぐおかげだ。
精いっぱい女王様にお仕えしよう。
そう誓ったとき、見覚えのある男性の顔が目に入った。
オリヴァー! 甘ずっぱい記憶がたちまち彼女の胸を占めた。
その古い家に引っ越してきた当初から、ジェーンは壁にかけられた肖像画が気になって仕方がなかった。
描かれているのは黒髪の男性――百年前ここに住んでいたという天才科学者、ザカリヤ・ボルトンだ。
彼はタイムマシンの開発に没頭していたが、息子が死ぬと悲嘆に暮れ、忽然と姿を消したらしい。
ある日、大きな物音を聞きつけてベッドルームへ駆けつけると、黒髪の男性が苦しげにうずくまっていた。
彼の顔を見た瞬間、ジェーンの心臓は早鐘を打ち始めた。
壮麗な屋敷の前にたたずみ、刑事コーリーはため息をついた。
屋敷の主、ブレント・モンゴメリーに会って最悪のニュースを伝えなければならないのだ。
公正な判事として名高いブレントを、彼女はひそかに想っていた。
かつて舞踏会で彼と踊った思い出は今もコーリーを甘くせつなくさいなみつづけている。
あのとき、ふたりの間にはたしかに魔法が存在した。
わたしは運命を感じたけれど、ブレントにその気はなかったのだ。
夢のようなひとときが終わるなり、彼は一言もなく去ったのだから。
アレクサンドラは、祖父のあとを継いでカリスタンの統治者となった。
問題山積だが、目下の悩みはカリスタンの人口減少だ。
相次ぐ戦争で多くの男性を失ったこの国では、アレクサンドラを含め、若い女性ばかりが余っている。
ある日彼女は、アメリカ大統領からの就任祝いに驚愕した。
届いたのは、毛並みのよい名馬と見ばえのよい男性。
ネイト・スローンと名乗る男性いわく、国家繁栄のため“種馬”を活用してほしいという大統領メッセージを携えてきたとのこと。
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