反逆のプリンス

〈ラズロ・グループ〉のエージェント、リア・デ・ヘイズは、ニコラス・ドノバンを見つけて祖国に連れ帰るよう命じられた。
半年前に毒殺された王子レジナルドが国王の実子ではないとわかり、反王制活動をしていたニコラスが真の王子だと判明したのだ。
リアはニコラスの潜伏先をつきとめ帰国を促すが、彼は頑として応じようとしない。
その一方で、リアは以前彼に会ったことがある気がしてならなかった。
でも、いつ、どこで? 彼女はその疑問をニコラスにぶつけた。
すると彼は言った。
「ヒントをあげるよ」そして、リアに情熱的なキスをした。
わたしはこれで死ぬのだ……。
サディは医師としてアメリカから中東に赴任したとたん、病院が盗賊の襲撃を受け、砂漠のキャンプに連れ去られた。
だが身代金は支払われず、見せしめに処刑されることになった。
銃を突きつけられ、サディは死を覚悟した。
「その女はおれがもらう」突然、男の声が響いた。
最近キャンプに加わったナシールだ。
新参者なのに、あっという間に一目置かれる存在になった、誰もが恐れる男。
ところがテントで二人きりになると、彼は流暢な英語で優しく言った。
「落ち着くんだ。
きみを傷つけるつもりはない」この人は何者? サディと謎めいた男との脱出劇がこのとき始まった!ニューヨーク発ロンドン行きの飛行機が離陸事故を起こし、乗客のネイサンは記憶喪失に陥った。
病院から彼を引き取り、ロンドンに連れ戻った女は、妻だというケイトリンだった。
何もかも身に覚えのない迷路のような生活の中、ネイサンはしだいに自分がケイトリンに憎まれていると知る。
ぼくは彼女に何をしたんだ。
本当にぼくがネイサン・ウルフなのか?エリーは町の小さな食料雑貨店の看板娘。
けれど父は病死。
その後、母は突然町を出ていった。
家族の大切な店だったはずなのに…。
ひとりとり残された気分になり、泣いていた彼女を慰めたのは、幼なじみのグレンだった。
そのやさしさに涙がとまらなくなるエリー。
その時だった、グレンがそっとキスをしたのは――。
親友と思っていたのに、涙を拭う手をとめて、何も言わずに抱きよせたのはなぜ? あの1度きりのキスが、いつまでも甘く唇に残っている気がするのは…なぜ?母亡きあと、幼くして祖父の屋敷に引きとられたフランセスカ。
同居していた伯母に未婚で出産した亡き母のことを、ふしだらとなじられ、ことあるごとに折檻されたので、フランセスカは傷つくことに慣れていた。
だが初恋の人マーカスの仕打ちには、絶望の底へと突き落とされた。
マーカスは、心を許し、初めて与えたフランセスカとの口づけを、残酷にも人々に言いふらしたのだ! でも、それは彼女の誤解だったのだが…。
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